二、夢を描こう

夢と言う字には睡眠中の夢を除くと『はかないこと』と『希望』と両極端な意味に使わ
れている。
ジャンボ宝くじをせっせと買って、一億円当れば商売を始めるのだと熱弁を奮っていた
知人が居たが、これなどはかない夢で、何年やってもまず実現しない空想に終ってしまう。
それとは反対に、事業化を絶対するぞ、と意志があれば、これは希望に満ちた夢になる。
その夢を実現するには、商品化する内容を分析し、市場性、新規性、価格等をよく冷静に
評価することは当然だが、大切なことはやれば出来るんだと自分の決断を信じ、強い信念
を持って始めなければならない。
そして、問題の壁にぶち当たるごとに、むずかしい課題の方を選んで、あえて挑戦する
気構えが必要です。
また、やりたいことを発信し、宣言することによって、一層自分の意志も鮮明になり、
後に引けない状態を作ることで、問題点もクリヤ―になり、必死で課題に取組む体制が出
来る。また、発信することで、多くの方々が精神的援助をしてくれて勇気づけられる。
しかし、現実にはすばらしい物が完成しても、売れないことが多いのも事実だ。
ある時、自分の夢を追い続けているMさんに出会った。五十歳前後のこの方は、数年前
から、バイオ菌の研究をされており、この発明は自然が教えてくれたのだと熱っぽく持論
を語る情熱家で、たしかにその発明した菌はすばらしく、魚の頭や、食材くずが、二時間
も経過すると、跡形もなく分解、消滅させる効果があった。しかし、これを効率よく活か
す機械装置が完成していないので、商売にならず、苦しい生活を強いられていた。
ある日、自宅を訪ねたが、飾り気の少ない質素そのものだったが、夫婦して心よくもて
なしてくれた。本人は、今はかみさんに食わしてもらっていると笑っている。その奥さん
は、昼も夜もパ―トに行かれているとのことだったが、くったくなく明るい。
苦しい中でも、自分の夢を大事にし、次の研究資金にするためにも、ぜひ成功させたい
との熱意に心うたれた。
今、そのMさんと装置の開発をやっている。まだ、希望の光はみえてこないが、必ずや
手を取り合って喜べる日が来ると信じている。



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