五、ビジネスはTVゲ―ムよりおもしろい

〜仕事を楽しむ精神を持っている〜

私は、七人兄弟の五番目である。今の若者のようにかじれる脛もなかったから、生きて
いくためにはガムシャラに働いた。そして、この建築の道を選んだことは間違っていなか
ったと思っている。
ちょっと車を走らせれば、幾つもの私の手掛けた家、『作品』がある。その時の苦労や
喜びが、私の胸に蘇ってくる。そこに暮らす家族の楽しげな声が聞こえる時、私の仕事の
本当の価値を確かめることができる。
日本人はとかく、“努力”という言葉が好きだ。しかし、無理をして漫然と努力し続け
る事が本当に意味があるのか疑わしい。楽しくなければ時間の浪費とも言える。
私の場合、『お客様が満足できる家を作りたい』という目標があるからこそ、無理もき
くし、努力もできる。この目標や目的を見い出す事が最も大切だと思う。
若者達の生き方を見ていると、嫌々仕事をしていたり、逃避的な考え方をしている者が
多いように感じる。本当は、「このままではダメだ。自分も何か出来るのではないか?」
と心の片隅で考えているのだと思いたい。
一人きりで、朝から晩までTVゲ―ムに熱中していても、現実の大きな喜びを発見する
ことはできない。現実の厳しく、激しい環境の中に身を置いて、自分の本当の目標や目的
を探すことに喜びや感動を見い出して欲しいと願っている。

今、流行のバ―チャルリアリティ(仮想現実)。
TVゲ―ムの世界ではRPG(ロ―ルプレイングゲ―ム)に続き、SLG(シミュレ―
ションゲ―ム)が人気を博している。旧ファミコン世代が、既に社会で中堅と、なってい
るともきく。「何かをやりたい、何かを始めてみたい。」という気持ちがバ―チャルリア
リティの世界ですり替えられているのではないだろうか。
TVゲ―ムにもそれなりの楽しみは認めよう、しかし、仮想の現実よりも現実の方がさ
らに奥が深く、おもしろいというのも紛れもない事実である。
与えられた素材から始まるTVゲ―ムで満足していていいのか。ビジネスは無限の可能
性から始まり、自らの創造力で、また更にその世界を広げる事ができるのだ。
そして、その結果も先を読む個人個人の発想によって、幾通りも生まれてくる。
勿論、一つの結果、成果が得られたとしても、そこで終りという訳ではない。そこから
また、多岐にわたる選択肢が発生することもあろう。あなたがそこで再び決断を迫られる
かも知れない。多大なリスクが生じる事もある。
それを苦痛だと感じるか、それとも楽しみと感じるか、それはあなた次第なのだ。
ビジネスを楽しめる事、それは人生を楽しむことへと繋がる。生きる楽しみを知る人に
は、現役引退という事がない。

それは、生きてゆくかぎり、挑戦を続ける事が可能だからだ。
「あいつは好きな事で飯が食えていいな」という愚痴を聞くことがある。
それでは、なぜ貴方は好きな事をしないのだろうか。
「そうそう自分の希望した職につけるものでもない。食う為には多少の事は仕方ない」
もっともらしい理由をつけて、いやいや仕事をしてはいないだろうか。
自分の望む道に進むのは容易ではないかもしれないが、諦めからは何も始まらない。
リセットのきかない現実は楽しめる。自己実現の喜びを知ることが、これからの我々に
必要なのだ。
TVゲ―ムで大富豪になるよりも、起業活動の方がずっとおもしろいのではないだろう
か。何よりも自分自身の可能性が充分に試せると思う。
プロスポ―ツの頂点をめざすのも良い。芸能や音楽の世界で成功めざすのも良い。TV
ゲ―ムの世界よりもまだリアリティがあるからだ。しかし、それ以上に起業や商売の世界
は自分を生かすための絶好の市場である。まだまだ未開拓の分野が残されている。自分の
ヤル気と勇気と根気と元気さえあれば、成功の可能性は高い。



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